SEG中1英語多読生保護者の方の質問への回答

SEG英語多読コース
2009年12月4日

多読は新しい学習法ですので、いろいろ疑問があるかと思います。疑問がある場合には遠慮無く、担当講師にお尋ねください。あるいは、tadoku@seg.co.jpへメールをください。
多読クラスについての最新情報は、http://www.seg.co.jp/tadoku/をご覧ください。

多読で一番重要なことは、「英語のまま理解できる本、英語で読んで楽しい本」をじっくりとたくさん読むことです。色々悩まれるより、じっくり実際に洋書を楽しむのが英語力向上への一番確実な道です。お子さんには、「とにかく読もう!」といっていただきたく思います。そして、保護者の方には、読んでいるお子さんを思いっきり誉めていただきたいと思います。

2009年12月5日実施の中1クラス保護者個別面談の事前アンケートに寄せられらた主な質問について、以下に回答させていただきます。

1) 家庭学習について

多読では本を読むこと、Up and Awayではワークブックが宿題になっています。なるべく毎日英語に触れ続けることで、英語のインプットの量を増やします。一度読めば十分ですが、時間に余裕があればCDをかけながらシャドーイングしたり、本を見ないで聞いてみるなどなさるとさらに効果があがります。CDによる聞き読みをしている場合には、頻繁に止めるのではなく通しで聞き終えるほうがよいでしょう。なお、毎日できない場合に、まとめて読書するのでも構いません。

2) 読書語数について

いつまでに何語読む、というような厳格なる基準は設けていません。多読を継続的に行えば中3の終わりまでには、100万語に達します。高3までに300万語を達成できれば、受験にも対応できます。しかし、読み方には個人差がありますので、あくまでも目安としてお考えください。

3)本の内容理解について

多読コースでは、ご本人にとってやや高いレベルの本については、大筋が分かれば良いという方針で読んでもらっています。一方、やさしいレベルの本を詳しく読むことも必要ですので、本の貸し出しは、「やや高いレベルの本」と「やや易しいレベルの本」を両方貸すようにしています。ただ、どうしても、「易しい本はつまらない」といって借りないお子さんもいます。貸し出しても読まなければ意味がないので、そういうお子さんに対しては、「やや難しい本」のみを貸し出しています。中1・2のうちは、「早く高いレベルに行きたい」と思われる方が多いですが、中3になると落ち着いて、「自分にぴったりの本」しか読まなくなります。ですので、長い目で見てください。なお、私達も「易しいものを読む」ことの重要性を繰り返して強調していますが、保護者の方からも、「易しいものをゆっくり読むのもいいことだよ」と伝えていただければありがたいです。

4)同じYLなのに読めない本について

同じYL(難易度)がついている本でも、お子さんによって、「読める本」、「読めない本」がありますが、それは全く普通のことです。「読めない本」もそのうち読めるようになりますので、持ち帰った本でも「読めない本」を無理に読み切る必要はありません。「読める本」だけをしっかり読むようにしてください。

5) 文法・スペル・語彙について

ネイティブ講師による文法の授業は、耳で聞いて繰り返し言葉を発しながら、表現に慣れていくという進め方です。文法問題を解くことを目的とはせず、英語を理解しやすくなるように、英語の仕組みを知っていただくことが目的です。わかっているのにまちがえてしまうという段階も踏まないとなりませんが、はじめからミスなしで読み書きするように求めると、間違いを恐れアウトプットできなくなります。習った文法事項を理解しても、正確に使えるようになるには、記憶を定着させるための時間が必要です。100%は理解できなくとも、内容に触れるだけでも意味があります。
スペルは、派生語をまとめて覚えたり、接頭辞・接尾辞の意味を意識しながら覚えるとすんなり覚えられるようです。また、本を一冊読んでもどうしてもわからなくて気になった単語があった場合には、辞書で確認してもよいでしょう。

6) 多読の授業

多読手帳には講師がコメントを定期的に入れるようにしていますが、毎授業ごととは限りません。授業では、コメントの記入がなくとも、講師は必ず口頭でやりとりをしながら多読の進み方をさりげなくチェックさせていただいています。直接的にテストで理解度を図るのではなく、読んだ感想を述べ合ったり、読んでいる様子を見て、どのくらい理解しているのかを講師は知ります。適切なレベルの本が順調に読めているのかを、常時チェックしながら読む本を選択させていただいています。

7) リスニングの対策

リスニングテストが苦手だという生徒さんは、CD付きの本を借りた際には必ず聞き読みも行ってください。最初からすべて聞き取れるわけではないかもしれませんが、徐々にわかる度合いを高めていきます。音楽や体育と似ていて、音声に関する感覚というのはどのくらい聞けばわかるようになるという基準はありません。ひとつひとつの単語を聞き逃さずに音を追っていくというよりは、まとまりで聞くようにすると進歩が早いでしょう。ご家庭でCDを聞きながらシャドーイングをする際には、単語の強弱、高低を意識しながらマネをしてください。

8)モチベーションの高め方

語数、冊数が蓄積されると意欲も高まるようです。ぐんと伸びる時期と、緩やかに進む時期があります。授業では目標を設定したり、講師や他の生徒とのやりとりを通して読む意欲を高めていただいています。何か気に入ったシリーズを読破できた時、一冊読み終えて今までよりも速いスピードで読めたと実感できた時、映画が字幕なしでもだいたいわかった時などいろいろな瞬間に英語力がついたと感じるようです。進歩を実感できると、さらに先のステップに進めます。たくさん読めば読むほど、確実にわかるようになっていきます。

9)書く力を伸ばす

ネイティブ講師の授業内容は、中学1年生は聞きながら大量に英語をインプット、中2はまちがえてもよいのでたくさん会話をしてアウトプット、中3はライティング力をつけることを主眼としています。中2から少しずつ書く作業も授業に加わります。文法的には正しくても不自然な言い回しはしないよう指導します。最終的には、自分の意見を持てるように思考力を高められるような授業をめざしています。

10)話す力について

ネイティブ講師の授業では、できるだけ生徒の皆さんにも発言していただいていますが、正直、この4年間の授業結果を総括すると、「読書力は当初設定を上回る実績」ですが、「会話力は、当初設定を下回る実績」です。少数ながら、会話力が非常に伸びている方がいますが、それらの方は、ネイティブ講師と積極的に自ら会話をされています。日本国内にいる限り、英会話の必要性は全く無いので、会話に対しては生徒の皆さんに強い動機が生まれないのが原因のようです。ただ、多読によって潜在的能力は培われていますので、みなさん、中3〜高2、あるは大学1年で短期留学をされるだけで会話力を伸ばして帰られてきます。残念ながら、会話力の伸びについてはこのような現状です。

11)留学

高校や大学で、留学を検討されている方もいらっしゃるようです。長期留学をするには、長い文章を読み考察する力が必要となってきます。海外の学校では、資料や本をたくさん読まないとなりません。100万語読んでいれば短期留学、300万語読んでいれば長期留学にも適応できる力が養われるでしょう。英語力を伸ばすだけでなく、異文化を理解するという意味でもいろいろな本を読んでおくことをおすすめします。また、2週間程度の短期留学でも会話力は著しく伸びます。やはり、同年代の子供達との交流が会話力を伸ばすようです。

12)多読の効果

はっきりとした効果を知りたいという声があります。多読では目に見える結果としては、読了語数や冊数がありますが、具体的に何語読んだら英検の何級に受かるというような、明確な基準というのは個人差もあり一概には示すことができません。受講生からは、実力テストなどでかなり高得点を取れたという感想や、今まで不合格だった英検に合格したなど様々な報告を受けています。

13)試験について

多読クラスでも、中2以降は、半年に1回、客観的なテストを行います。英検等の定期的な受験もうまく活用すれば本人の学習動機の向上となると思います。中3クラスでは、中1の時基礎クラスにいた生徒さんが、TOEICで850点を得点したり、英検準1級に受かったりする例もあります。

14)本の貸し出しについて

こちらとしても、積極的に本を貸すようにしておりますが、ご本人の自主性にもかなりまかせており、本人が借りたくないという場合には、貸さないこともあります。
また、読書記録手帳などを、忘れるあるいは、見せたがらないお子さんの場合、貸し出す本・量が必ずしも適切でない場合もまれにあります。ご家庭でも、読書記録手帳は必ずもっていくようにご指導ください。

15)保護者が本を買いたい場合には

生徒さんが、読める本、読みたい本をご購入ください。読めるかどうかは、ご本人の判断を信頼してください。ただし、実際には、必ずしも読めるとは限らないので、購入したけれど読みきれない場合には、早めにその本をあきらめさせてくださるようお願いします。